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頭のゆがみと発育 02

「赤ちゃんの頭のゆがみ(斜頭症)は自然に治る」は誤解!
頭のゆがみが気になったら知っておきたい治療のこと

赤ちゃんの頭のゆがみが気になる……。しかし周囲から「自然に治る」と言われ、このまま様子を見ていてよいのかと迷う保護者は少なくありません。本当に赤ちゃんの頭のゆがみは自然に治るのでしょうか。「赤ちゃんの頭のゆがみは自然に治る」と言われる理由や、赤ちゃんの頭のゆがみを治したい場合に受けられる治療について医師に聞きました。

赤ちゃんの頭のゆがみは自然に治るのでしょうか?
赤ちゃんの頭のゆがみについて、疑問を持ち不安になる親御さんはたくさんいます。結論から言うと、自然に治ることはないとされています。ただし、頭のゆがみが軽度であれば抱っこの向きや寝る向きを変えるなどの生活上の工夫や、赤ちゃんの成長により頭のゆがみが気にならなくなるケースも見られ、そうした場合に「自然に治った」と捉えられることがあるのでしょう。
では、赤ちゃんの頭のゆがみは様子を見ていてもよいのでしょうか?
軽度のゆがみであれば様子を見ていてもよいのですが、頭のゆがみは成長につれて気にならなくなる事はあっても基本的に自然に治ることはありません。少しでもお子さんの頭の歪みが気になったら、まずは小児科の医師に相談することをおすすめします。
自然に治ることはないのですね。ではなぜ「赤ちゃんの頭のゆがみは自然に治る」と言われてきたのでしょうか?
日本では昔から、赤ちゃんを仰向けに寝かせることが一般的で、いわゆる「絶壁」などの頭のゆがみを持つ赤ちゃんが多かったのです。頭のゆがみについて気にする人が少なかったために、今でも「自然に治る」「様子を見ていても問題ない」と考える人が多いのでしょう。
日本での一般的な寝かせ方が「自然に治る」という誤解を蔓延させていたのですね。海外でも頭の歪ゆがみを気にする親御さんは多いのですか?

海外でも、頭のゆがみについて関心を持つ親御さんは多くいます。実際、海外では生後間もない頃から赤ちゃんの頭のゆがみに対する治療が行われています。

欧米では日本とは違い、うつぶせで赤ちゃんを寝かせることが一般的だったため、後頭部に圧力がかかることが少なく、頭のゆがみを持つ赤ちゃんが少ないと考えられていたのです。

では、赤ちゃんの頭をゆがませないためにはうつぶせ寝がよいのでしょうか?
いえ、赤ちゃんのうつぶせ寝は危険です。うつ伏せ寝が乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすリスクになることが明らかになったからです。うつぶせ寝が乳幼児突然死症候群を引き起こすことがわかると、うつぶせ寝が一般的だった海外でも仰向け寝が勧められるようになりました。それと同時に頭のゆがみを持つ赤ちゃんが増え、頭のゆがみが問題になったのです。
海外でも赤ちゃんの頭のゆがみは問題になっているのですね。頭のゆがみは見た目以外にも何か影響があるのでしょうか?
赤ちゃんの頭のゆがみは見た目の問題だけではなく、精神発達や運動発達にも影響が出るとの指摘があります。
赤ちゃんの健康にも影響があるのですね。そうすると早めに治療をしたいという親御さんも多いと思いますが、赤ちゃんの頭のゆがみにはどのような治療法があるのでしょうか?
赤ちゃんの頭のゆがみには位置的頭蓋変形症と呼ばれる外部からの圧力によるものと、頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)などの病気によるものの2つがあり、それぞれ治療法は異なります。
頭のゆがみによって治療法が変わるんですね。位置的頭蓋変形症の場合はどのような治療があるのでしょうか?
位置的頭蓋変形症の場合には、ヘルメット治療を行うことがあります。赤ちゃんの頭の形に合わせたオーダーメイドのヘルメットを赤ちゃんにかぶせることで、頭の歪みを治していく治療法です。生後4〜6カ月頃での実施が最適と言われています。
ヘルメット治療は日本でも受けられますか?
はい。日本でもヘルメット療法を行っている病院が複数あります。中には赤ちゃんの頭のゆがみについて相談できる専門外来を設けている病院もあるので、専門外来に相談してみるのもよいでしょう。
ただし、ヘルメット療法は保険適用外の治療となっています(2020年1月現在)。
では、頭蓋骨縫合早期癒合症の場合はどのような治療が必要なのでしょうか?
頭蓋骨縫合早期癒合症の場合は、手術による治療が必要です。ゆがみが生じている部分の骨を切り出してゆがみを矯正し、もとに戻します。そして手術後はヘルメット療法を併用して頭のゆがみを治療する場合も多いです。手術は1歳以下での実施が最適だと言われています。
頭のゆがみによって治療法が異なるのですね。いつまでに頭のゆがみの治療を受けたほうが良いのでしょうか?

赤ちゃんの脳は2歳までに成人の70%の大きさにまで成長します。頭の歪みによる赤ちゃんの精神発達、運動発達への影響が懸念される場合は、2歳までの治療が望ましいでしょう。そのため、早期に診断を受け、症状の程度に応じて治療を受けることが大切です。

赤ちゃんの健康への影響のリスクを避けるためにも、頭のゆがみが気になったらまずはかかりつけの小児科医に相談してくださいね。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。