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頭のゆがみの治療法 01

赤ちゃんの頭のゆがみが気になったら……。
ゆがみの種類と治療法

赤ちゃんの頭のゆがみに悩む親御さんは少なくありません。長年、自然に治るものと考えられていた赤ちゃんの頭のゆがみ。がしかし、頭のゆがみは成長にともなって気にならなくなるケースはあっても、完全に治ることはありません。今回は赤ちゃんの頭のゆがみの種類と種類別の治療法について医師に聞きました。

赤ちゃんの頭のゆがみにはどのようなものがあるのでしょうか?
赤ちゃんの頭のゆがみには、病気による頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそきゆごうしょう)か、外部要因による位置的頭蓋変形症の大きく2種類に分けられます。
頭のゆがみといっても、2種類に分かれるのですね。ではまず「頭蓋骨縫合早期癒合症」について教えてください。
頭蓋骨縫合早期癒合症は、赤ちゃんの脳の成長にしたがってゆっくりと閉じていくはずの頭蓋骨が何らかの原因によって本来よりも早く閉じてしまう病気です。
頭蓋骨が早く閉じることで頭がゆがんでしまうのでしょうか?
はい。赤ちゃんの脳は生後急速に成長します。脳の圧迫を避けるために赤ちゃんの頭蓋骨はいくつかのピースに分かれており、脳が成長していくとピースが癒合して閉じていきます。しかし一部のピースが脳の成長よりも早く癒合してしまうと,頭蓋骨のその他の部分が膨れてしまうなどの理由で、いびつにゆがんでしまうのです。
頭蓋骨縫合早期癒合症は頭のゆがみのほかにどのような症状が見られますか?
頭のゆがみのほかに、脳の成長を妨げられることによる精神発達・運動発達の遅れが見られる場合があります。さらに顔面にも変形がある場合は眼球突出や、上気道が狭くなることによる呼吸障害のリスクなどが生じます。
赤ちゃんの頭のゆがみが頭蓋骨縫合早期癒合症だと分かった場合はどのような治療があるのでしょうか?
主に「頭蓋形成術」と呼ばれる手術が行われます。変形している部分の頭蓋骨を切り出して骨の形を本来の形に直し、元の場所に戻すことで頭のゆがみを治す手術です。
頭蓋骨縫合早期癒合症が疑われる場合はいつまでに治療を受けたほうがよいのでしょうか?

頭蓋骨縫合早期癒合症はさまざまな部位に影響が及ぶことから早期の治療が必要です。手術は変形が広範囲に広がる前の1歳以下の段階で行われます。

顔面に変形が生じている場合の顔面の手術は、基本的に小学校入学以降まで待ってから実施することが多いです。ただし、顔面の変形による呼吸障害や眼球突出がある場合は、就学期を待たずに早めに手術を行う必要があるので、頭のゆがみが気になる場合は早めに病院を受診することが大切です。

次に、外部要因による「位置的頭蓋変形症」について教えてください。
位置的頭蓋変形症とは、外部からの圧力によって生じる頭のゆがみのことを言います。これには3つの種類があります。
3つの種類があるのですね。それぞれの種類について教えてください。
位置的頭蓋変形症には、どのような変形を起こしているかによって「斜頭症」「短頭症」「長頭症」の3つに分けられます。
まず、頭を上から見て後頭部が斜めに左右非対称になった状態を斜頭症と言います。次に、後頭部が平らになっていて頭の横幅が広い状態は短頭症と呼ばれます。これはいわゆる「絶壁頭」のことです。最後に、後頭部が伸びて細長くなった状態を長頭症と言います。
いろんな種類のゆがみがあるのですね、位置的頭蓋変形症の原因は何でしょうか?
子宮内が狭かったり逆子で産まれたりといった子宮内の環境、難産や吸引分娩などの分娩時の環境、いつも同じ方向を向いて寝ているなどの生活の環境などがあります。
位置的頭蓋変形症は環境によって起こるのですね。位置的頭蓋変形症の場合、治療を受けたほうがよいのでしょうか?
近年では、位置的頭蓋変形症にも治療が必要と考えられつつあります。頭のゆがみが大きいと、まずメガネや帽子が合わせづらいなど見た目の問題や、噛み合わせが悪くなるという問題が出てくるほか、精神発達、運動発達の遅れなど健康面で影響が出てくる可能性もあると言われているからです。
位置的頭蓋変形症はどのような治療があるのでしょうか。

ヘルメット治療と呼ばれるものがあります。赤ちゃんの頭に合わせたヘルメットをかぶせることにより頭蓋骨の成長を誘導し頭の歪みを矯正する治療法です。

ただし、ヘルメット治療は頭のゆがみがあるからといって必ず受けなければならないものではありません。赤ちゃんの頭のゆがみの程度などを医師が診断して、ヘルメット治療が必要か判断します。

ヘルメット治療を希望する場合にはいつまでに治療を受けたほうがよいのでしょうか?
まだ頭蓋骨のやわらかい生後2〜6カ月のあいだに治療をすることが望ましいです。ゆがみの程度にもよりますが、おおよそ1歳半頃には治療を終えることができます。
頭のゆがみの程度が極端に強い場合や、2歳くらいで頭がゆがんでいると分かった場合はどうしたらよいでしょうか?

その場合はヘルメット療法を行うことができません。どうしても頭のゆがみを治療したければ手術をする必要があります。ですから、治療をできるだけ早く開始するためにも早期に病院を受診することが大切なのです。

頭のゆがみをそのままにしておくとゆがみが進行したり、治療が間に合わなかったりすることがあります。一人で悩まずに早めに医師に相談することをおすすめします。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。