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頭のゆがみの治療法 02

ドーナツ枕は赤ちゃんの頭のゆがみに効果はあるの?
頭のゆがみを治したいときの方法は?

ベビー用品専門店やネット通販などでよく見かけるドーナツ枕。赤ちゃんの頭のゆがみ防止のために使う方も多いようです。しかし、医学的に見てドーナツ枕は頭のゆがみに対して効果があるのでしょうか。ドーナツ枕の有効性や赤ちゃんの頭のゆがみへの対策について医師にうかがいました。

赤ちゃんの頭のゆがみ対策のひとつとしてドーナツ枕の使用を検討する保護者の方も多いようです。ドーナツ枕で頭のゆがみは防げるものなのでしょうか?

ドーナツ枕が赤ちゃんの頭のゆがみの予防に効果があるのか否かについて、現時点でははっきりとわかっていません。実際にドーナツ枕が有効と考えられる例もあればそうでなかった例もあるからです。

また、すでに頭のゆがみが起きている赤ちゃんに対して有効かどうかも未だに明らかではありません。頭のゆがみの程度が大きかったり、月齢が進んでいたりするケースでは、ドーナツ枕だけで頭のゆがみを改善することは難しいと考えられます。

ドーナツ枕の効果ははっきりとしていないのですね。赤ちゃんの頭をゆがみから守るためにやわらかい枕やタオルを頭の下に敷いて寝かせる方もいるようですが、この場合の効果はどうでしょうか?
ドーナツ枕をはじめ、やわらかい枕などを使って頭のゆがみを防いだり改善したりすることについて、その効果は明らかではありません。むしろ、医学的にはやわらかい枕などを赤ちゃんの近くに置くことは推奨されていないのです。
なぜ赤ちゃんの近くにドーナツ枕などのやわらかい枕を置くことを避けたほうがよいのでしょうか? やわらかいほうが赤ちゃんもぐっすり眠れるような気がしますが……。
やわらかい枕などを赤ちゃんの近くに置くと、赤ちゃんがうつぶせになったときに顔が埋まってしまい、窒息死してしまうリスクがあるからです。固い枕とちがってやわらかい枕は顔が沈んでしまいますから、窒息のリスクが高くなります。
ドーナツ枕が赤ちゃんにとって危険なこともあるのですね。では、赤ちゃんの頭をゆがみから守るためにはどうすればよいのでしょうか?

頭のゆがみの予防や、軽度のゆがみの改善を試みる場合には体位変換を行うのはひとつの方法です。体位変換とは、寝るときの頭の向き(向き癖)や抱っこの向きなどを頻繁に変えることで頭の同じ面ばかりがベッドに接する接地することを避ける方法です。

赤ちゃんの頭のゆがみの多くは向き癖によるものですから、なるべく同じ姿勢をとらないようにすることが大切です。

なるほど。赤ちゃんの頭のゆがみが大きい場合はどんな改善方法がありますか?

赤ちゃんの頭のゆがみの程度が一定以上の場合は、ヘルメット治療を受けることがあります。ヘルメット治療とは赤ちゃんの頭の形に合わせたオーダーメイドのヘルメットを作成し、数カ月間かぶって生活することで正常な頭の形へと導く治療法です。

アメリカでは赤ちゃんの頭のゆがみに対する治療のひとつとして、多くの赤ちゃんが治療を受けています。

ヘルメット治療は日本でも受けられますか?

はい。日本でも一部の病院でヘルメット治療を実施しているところがあります。しかしヘルメット治療は希望すれば誰でも受けられるものではなく、専門の医師が「ヘルメット治療を行ったほうがよい」と判断しなければ受けることができません。

また、ヘルメット治療は健康保険の適用外で、自費診療(治療費用目安:約40万円)となります。

もしヘルメット治療を受けたいと思ったらどうすればよいでしょうか?

ヘルメット治療を希望する場合には、ヘルメットを製造・販売しているメーカーのホームページなどから、治療を実施している病院を探す方法があります。

また、ヘルメット治療は治療を始める時期も重要です。十分な効果を見込むためには生後2ヶ月から6ヶ月から治療を始めることがよいとされています。赤ちゃんの月齢が上がるとともにヘルメット治療での頭のゆがみの矯正率は下がっていくので、赤ちゃんの頭のゆがみが気になる場合は早めに一度医師に相談するとよいでしょう。

実際にヘルメット治療を受けることになった際の治療の流れを教えてください。

ヘルメット治療を受けるには病院を受診し、医師のもとで適切に治療を受けることが大切です。最近ではインターネットなどで頭のゆがみの矯正ヘルメットとして市販品が売られていますが、市販品を用いて自己流で赤ちゃんの頭のゆがみを治そうとすることはおすすめできません。万が一の事故や健康被害を避けるためにも、ヘルメット治療を行う場合は必ず病院を受診しましょう。

病院を受診すると、CT検査などで頭のゆがみの原因を調べます。赤ちゃんの頭のゆがみの中には病気によるものもあるからです。そこで病気が原因でないことがわかれば、今度は赤ちゃんの頭のゆがみの程度や月齢を考えながら、適切な治療法を決めます。

最終的に医師が「ヘルメット治療が適切である」と判断し、保護者の方の同意が得られると、次はヘルメットの作成です。LEDスキャナーで頭の型をとり、矯正後の頭の形を想定したヘルメットを作ります。ヘルメットが完成すると装着を開始します。

ヘルメット治療はどのくらいの期間行うのでしょうか? また定期的に病院を受診する必要はありますか?
赤ちゃんの頭のゆがみの程度や治療の進み具合によりますが、治療期間はおおよそ6カ月程度です。治療中は3~4週間に1回の受診が必要です。定期的に診察をして、治療が順調に進んでいるかの確認、ヘルメットの微調整などを行います。
デリケートな赤ちゃんの頭だからこそ、医師のもとで適切な治療を受けることが大切なのですね。
そうですね。赤ちゃんの頭はやわらかく、ちょっとした圧力でゆがみやすいです。そのためお子さんの頭のゆがみを気にされ、悩む保護者の方も多くいらっしゃいます。赤ちゃんの頭のゆがみが気になったら、一人で悩まずぜひ私たち医師にご相談ください。一緒に赤ちゃんの頭のゆがみを改善できる方法を考えましょう。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。