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頭のゆがみと発育 03

赤ちゃんの頭の形はいつまで気をつけたほうがいい?
赤ちゃんの頭が変形しやすい時期について

デリケートな赤ちゃんの頭。「赤ちゃんの頭はゆがみやすい」と聞いて、お子さんの頭のゆがみが気になっている保護者の方も多いのではないのでしょうか。
今回は赤ちゃんの頭が変形しやすい時期や対処法について医師に聞きました。

赤ちゃんの頭はとてもデリケートで、頭の形について気にされる方も多いようです。赤ちゃんの頭のゆがみはいつごろから現れるのでしょうか?
赤ちゃんの頭のゆがみは、早ければ生まれる前、お母さんのお腹の中にいるころから始まっています。初産や多胎妊娠などで子宮の中が狭かったり、逆子で外部からの圧力を受けやすい環境にいたりすることで、お腹にいるころから頭のゆがみが生じるのです。
そんなに早くから頭のゆがみが始まっているのですね。

はい。ほかにも、出産時に頭のゆがみが起こることがあります。難産で赤ちゃんが長時間産道に頭を挟まれてしまって頭がゆがむこともありますし、吸引分娩で引っ張られることでゆがみが生じることもあります。

生後の向き癖も頭のゆがみの原因です。向き癖は赤ちゃんの頭のゆがみの原因の中でも一般的なものです。寝ているときに左右どちらかに傾いていると常に同じ面がベッドや布団に接することになりますよね。その状態が習慣化してしまうと頭がゆがんでしまうのです。

また、新生児集中治療室(NICU)での治療の際に長時間寝かされていたり、いつも同じ向きで抱っこしていたりする場合も向き癖がついてしまい、頭のゆがみにつながることがあります。

いろいろな要因で頭のゆがみは起こるのですね。赤ちゃんの頭の様子を見る際、気をつけるべき点を教えてください。

まず、赤ちゃんの頭のゆがみを放っておくことはおすすめできません。赤ちゃんの頭について気になることがあれば悩まずに小児科の先生に相談しましょう。

赤ちゃんの頭の様子を見る際には、次の2点に気をつけて見てみてください。

1つ目は頭のゆがみの程度やゆがみの進み具合。赤ちゃんの頭がぱっと見ても明らかにゆがんでいたり、目や耳の位置が左右非対称になっていたりするケースは注意が必要です。また、月齢を重ねるにつれ頭のゆがみがひどくなる場合も同様です。

頭のゆがみが強い、ゆがみが進む場合には治療が必要なこともあります。そのため、これらにあてはまるときはかかりつけの小児科の先生に一度相談してください。

2つ目は頭のゆがみのほかに気になる症状がないかどうか。頭のゆがみのほかに症状がある場合には病気が原因でゆがみが生じている可能性があるからです。

たとえば、生後2〜3週頃に赤ちゃんの首にしこりがあったり、いつも首をかしげていたりすると「斜頚(しゃけい)」という病気の症状が出ている可能性があります。

頭のゆがみとともに嘔吐やけいれんがある場合には水頭症が疑われます。

また、まれですが先天性の病気によって頭のゆがみが起きていることもあり、注意が必要です。頭のゆがみが症状として現れる先天性の病気にはクルーゾン症候群やアペール症候群などがあります。これらの病気は頭のゆがみのほかに手足の指の異常、眼球の突出、呼吸の異常などが一緒になって現れることがあります。

病気が原因で頭がゆがむこともあるのですね。
はい。水頭症やクルーゾン症候群、アペール症候群の場合は、病気を治療せずにいると赤ちゃんの発育・発達に影響を与えるリスクがあります。リスクを回避するために手術が必要となることもあるため、頭のゆがみのほかに気になる症状がある場合には、早めに医師に相談してください。
赤ちゃんの頭のゆがみが気になったらいつまでに受診すればよいのでしょうか?

基本的には頭のゆがみが気になった時点での受診が望ましいです。しかし、緊急度については頭のゆがみのほかの気になる症状の有無によって変わります。

頭のゆがみのほかに何か気になる症状があれば、先ほどもお伝えしたように頭のゆがみの背景に病気が隠れている可能性があるので早め早めの受診が望ましいです。なお、受診時には症状などについて記載したメモを用意しておくと診療がスムーズになります。頭のゆがみ以外の気になる症状や食事や排泄、睡眠などの赤ちゃんの様子、発症時期などをメモしておきましょう。

もし、赤ちゃんがぐったりしているなど様子が急変した場合や明らかにいつもと様子が違う場合は、救急車を利用するなどして救急外来を受診することも検討してください。

頭のゆがみのほかに気になる症状がない場合の受診時期はどうでしょうか?

頭のゆがみ以外の症状がない場合は、緊急度はそれほど高くありません。しかし、ヘルメット治療など赤ちゃんの頭のゆがみの治療を受ける場合には、受診時期が遅いと治療を始めるのに適切な時期を逃してしまうこともあります。

そのため、治療の観点から考えると遅くとも生後6カ月ごろまでには一度受診するとよいでしょう。

また、頭のゆがみだけと思っていても病気が潜んでいる可能性は否定できないので、ゆがみが気になった時点で受診することが望ましいです。

赤ちゃんの頭のゆがみは、頭のゆがみのほかに気になる症状があってもなくても、ゆがみが気になったら早めに受診することが大切なのですね。

そうですね。昔は「赤ちゃんの頭のゆがみは放っておいてもよい」と言われたこともありました。しかし今では病気の可能性や将来の発育・発達の影響を鑑みてなるべく早期から対処することが重要だと考えられています。

ですから、赤ちゃんのゆがみが気になったら早めに小児科の先生に相談してくださいね。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。