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ヘルメット治療のこと 01

頭蓋形状矯正ヘルメット治療とはどんなもの?
ヘルメットの種類や費用、治療の流れ

赤ちゃんの頭のゆがみに対する治療のひとつとして注目されている頭蓋形状矯正ヘルメット治療(以下、ヘルメット治療)。お子さんの頭のゆがみが気になる方の中には、ヘルメット治療を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、ヘルメット治療の種類や費用などについて、医師に聞きました。

今回はヘルメット治療についておうかがいしたいと思います。はじめに、ヘルメット治療とはどんな治療なのでしょうか?
ヘルメット治療とは、何らかの原因で生じた赤ちゃんのゆがみに対して行われる治療法です。オーダーメイドで作成したヘルメットを赤ちゃんが長時間かぶることで、頭を正常な形へと導いていくことを目的としています。
ヘルメット治療ではどのようなメカニズムで頭の形の改善を図るのでしょうか?
ヘルメットをかぶることにより、頭の平らになってしまった部分を保護して自然な成長をうながします。それと同時に、頭の出っ張った部分に対しては適度に圧力を加えることで頭のゆがみを矯正するメカニズムです。
赤ちゃんの本来の成長力を生かしながら治療をしていくのですね。ヘルメット治療の治療期間や治療を始めたほうがよい時期はいつ頃でしょうか?

治療期間は約6カ月です。ただし、赤ちゃんの頭の状態や治療の進行状況によって治療期間は変わるのであくまで目安としていただければと思います。

ヘルメット治療を始めるのに最適な時期は生後2カ月から6カ月頃とされています。この時期を過ぎても治療自体は行えるものの治療効果は下がっていくので、治療を希望される場合は早めに受診したほうがよいでしょう。

次に、ヘルメット治療の種類について教えていただけますか。

ヘルメット治療は、治療のメカニズムや基本的性能は先ほど述べた1つしかありません。しかし、治療用ヘルメットとしては現在、日本国内の医療機関では主に3社の製品が取り扱われています。

製品によって製造国やデザインや素材、費用などが異なります。また医療機関によってどの製品を扱っているかも異なるため、すでに希望する製品がある場合はその製品の取り扱いのある医療機関に治療の相談をするとよいでしょう。

基本的な仕組みはどの製品も変わらないのですね。日本で取り扱われている3社のヘルメットについてそれぞれ教えてください。

1つ目は日本生まれの「アイメット」。株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーが製造・販売しています。

日本人の赤ちゃんの頭や日本の気候に合わせた素材で作られている点が特徴です。ヘルメット治療はアメリカ発祥のためアイメットが開発されるまでは、日本でも後で説明するアメリカ製のヘルメットを使用することが主流でした。

アイメットは、ほかの治療用ヘルメットと異なり、ヘルメットの内部に特殊な低反発クッションを使用しています。こうすることで頭部をやさしく包み込むように固定して、変形を抑えたい部分の固定、へこんだ部分の成長をうながすための空間の確保の両方を叶えることができるとされています。

アイメットは日本の赤ちゃんのことを考えて作られているのですね。残りの2社の製品はどうでしょうか?

2つ目は、アメリカの「スターバンド」。株式会社AHS Japan Corporationが販売している製品です。スターバンドは世界中の赤ちゃんに使われている点が特徴です。2000年から2018年までの間に、30万人以上の赤ちゃんがスターバンドでの治療を受けた実績があります。

国内外にヘルメットの調整などを行うフォローアップ施設があるのもメリットでしょう。引っ越しをしても、引越し先で治療を続けられます。また、ヘルメットのデザインも豊富にあるので、赤ちゃんに合ったデザインを選ぶ楽しみもあります。

3つ目は「ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット」です。こちらもスターバンドと同様にアメリカ製のヘルメットですが、製造・販売会社が異なります。アメリカのダンマープロダクツが製造し、株式会社メディカルユーアンドエイが販売しています。

ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメットは、アメリカのミシガン大学で確立されたヘルメットです。日本でも国立病院などで使用されています。

同じ治療用ヘルメットでも製品ごとに違いがあるのですね。治療費用はどのくらいかかるのでしょうか?

治療費用は製品によって異なります。今からお伝えする治療費用はあくまで目安なので、参考程度にしてくださいね。

アイメットは診察・検査込みで約50〜60万円、スターバンドは技術料や機械使用料を含めて約30〜40万円、ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメットは診察や検査を含めて約40〜50万円です。

また、ヘルメット治療は医療保険の対象ではありませんので,同じ製品でも取り扱い先の病院によっても費用が異なるので、詳細は受診予定の病院に確認しましょう。

ヘルメットの種類の選び方のポイントはありますか?

治療の基本原理はどの製品も同じです。ただし製品によって異なる特徴があるので、何を重視されるのかによって変わります。素材やデザイン、費用、取り扱う病院など、重視する点を整理して、どの製品を選ぶか決めるとよいと思います。

また、ヘルメット治療は必ず受けなければならない治療ではありません。赤ちゃんにヘルメット治療を受けさせたほうがよいのか悩んだら、ヘルメット治療を行っている病院に相談してみましょう。

実際にヘルメット治療を受けたいとなると、どのような流れで治療を受けることになるのでしょうか?

ヘルメット治療の流れとして、大きく4つに分かれます。1.ヘルメット治療を行う医療機関の受診2.3Dスキャナーによる頭の形の計測とオーダーメイドヘルメットの作成、3.ヘルメットの装着、4.ヘルメットの微調整です。

まず、ヘルメット治療を行っている医療機関を探します。ヘルメット治療はどこの病院でも実施している治療ではないので、かかりつけの小児科の先生に紹介してもらうか、メーカーのホームページでの提携医療機関一覧からお近くの病院を探すとよいでしょう。病院を受診して医師がヘルメット治療を行う必要がある、と判断して、自費診療での治療を患者さんが希望した場合、ヘルメットの作成に移ります。

ヘルメットの作成では3Dスキャナーで赤ちゃんの頭の形を測り、最終的な頭の形を想定したヘルメットをオーダーメイドで作成します。中には、この段階でヘルメットのデザインを選べることもあります。

オーダーメイドのヘルメットが届くと、いよいよ装着です。赤ちゃんがヘルメットに慣れるため、まずは1日2〜3回、1回に1〜2時間の短時間の装着からヘルメットに慣れていきます。最終的には入浴時以外の1日23時間、ヘルメットをかぶって過ごします。寝るときもヘルメットをかぶったまま眠ります。

また、1カ月から1カ月半に1度、ヘルメットの微調整のために通院が必要です。このときに治療の進み具合やあせもなどの肌トラブルが起きていないかなどを医師がチェックします。気になることがあれば通院時に先生に相談するとよいでしょう。

そして、だいたい6カ月ほどで治療を終えるのですね。

はい。ただし先ほどもお伝えしたように、治療期間は頭のゆがみの程度や治療の進み具合などで変わります。もし治療期間が想定より長くなったとしても、医師は適切な治療を行っているので心配はいりません。

もしヘルメット治療について質問があれば、気軽に担当の先生に相談してくださいね。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。