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ヘルメット治療のこと 03

ヘルメット治療は本当に安全なの?
ヘルメット治療についての誤解を医師が解説

赤ちゃんの頭のゆがみを改善する治療である「ヘルメット治療」。お子さんにヘルメット治療を受けさせるかどうか検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な我が子が受ける治療の安全性について気になりますね。今回は、医師にヘルメット治療の安全性についてうかがいました。

赤ちゃんにヘルメット治療を受けさせるかどうか、悩む方も多いと聞きます。まず、ヘルメット治療の概要について教えてください。
ヘルメット治療は赤ちゃんの頭の形に合わせたオーダーメイドのヘルメットを長時間赤ちゃんにかぶせることで、頭のゆがみの改善を期待する治療法です。1970年代にアメリカの医師が頭のゆがみを持つ我が子にヘルメット治療を行ったことが始まりだと言われています。以降、欧米を中心として多くの治療用ヘルメットが開発され、今では世界中の頭のゆがみを持つ赤ちゃんに対して行われている治療法です。
ヘルメット治療はどのようなメカニズムで頭のゆがみの改善にアプローチするのでしょうか?

赤ちゃんの頭のやわらかさを利用して治療を行います。ヘルメットをかぶることでやわらかい頭を保護してすでに変形して平らになってしまった部分の成長をうながすとともに、出っ張った部分を適度にヘルメットで加圧することで正常な頭の形へと近づけていきます。

ヘルメット治療で十分な効果を得るには、治療を始める時期が重要です。赤ちゃんの頭のやわらかい生後2ヶ月から6ヶ月の間に治療を始めるのがよいとされています。

治療に適切な時期を過ぎると効果はないのでしょうか?

全く効果がなくなるわけではありませんが、月齢が高くなるにつれ治療効果は下がっていくとされています。成長にともなって赤ちゃんの頭の骨が硬くなり、頭の可塑性(変形のしやすさ)が無くなって行くからです。そのため、じゅうぶんな治療効果を得るためにはなるべく早くの受診がおすすめです。

頭のゆがみの程度がひどい場合はヘルメット治療単体ではじゅうぶんな改善が難しいケースもあります。

ヘルメット治療は希望すれば誰でも受けられるのでしょうか?

ヘルメット治療はどんな赤ちゃんでも受けられるものではありません。赤ちゃんの頭のゆがみの原因や頭のゆがみの程度によります。

赤ちゃんの頭のゆがみの原因には大きく、病気によるものと寝癖、向き癖などの外部からの圧力によるものがあります。ヘルメット治療は主に外部からの圧力が原因で変形をきたしていて、かつ変形の程度が中等度以上の場合に適応されるのです。

ヘルメット治療を行うかどうか判断するには、専門医による診断が必要です。ヘルメット治療を希望する際には、ヘルメット治療を実施している医療機関にまずは相談してくださいね。

ヘルメット治療は危険なのではないかと心配する保護者の方もいるようです。ヘルメット治療は危険なのでしょうか?

病院で医師の適切な治療・指導のもとで行われるヘルメット治療であれば、安全性は高いと考えてよいでしょう。安全性を示す指標として厚生労働省の認可を受けている治療用ヘルメットもあります。

病院で行われるヘルメット治療は定期的に通院し、治療の進み具合などに応じて適切にヘルメットの調整などを行います。定期的な通院でヘルメット装用による肌トラブルにも対応できます。ですから、万が一心配な点があってもすぐに対処できるのです。

病院で受けるヘルメット治療の安全性は高いのですね。インターネットなどで売られている市販品のヘルメットがありますが、その安全性はどうでしょうか?

市販のヘルメットで、医師の指導なしに赤ちゃんの頭のゆがみを治そうすることは避けるべきです。なぜなら、赤ちゃんの健康に影響が及ぶ場合があるからです。

そのため、赤ちゃんの頭のゆがみを治すためにヘルメット治療を行いたい場合には、必ず医師にご相談ください。

ヘルメット治療を受けたいと思ったら、具体的にどうすればよいでしょうか?

ヘルメット治療は現在、どこの病院でも受けられる治療ではありません。そのため、治療用ヘルメットを扱っているメーカー・販売店のホームページから病院を探す、またはかかりつけの小児科の医師から紹介してもらうといった方法で受診する病院を決めましょう。

受診先の病院で専門医の診察や検査を受け、ヘルメット治療を行うことが妥当だと判断されれば治療を受けることができます。

そのほか、ヘルメット治療を検討する際に注意したほうがよい点はありますか?

ヘルメット治療は健康保険が適用されない治療です。そのため治療費は全額自己負担となります。費用については30万〜70万円程度ですが、病院や使用するヘルメットの種類によって異なります。

ヘルメット治療は自由診療で、必ず受けなければならない治療ではありません。ですから、医師やご家族とよく相談してから、治療を検討するとよいでしょう。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。