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ヘルメット治療のこと 04

ヘルメット治療に医学的根拠はある?
治療のメカニズムと歴史について

ヘルメット治療は赤ちゃんの頭のゆがみの改善を期待する治療法として世界中の頭のゆがみを持つ赤ちゃんが受けています。しかし、ヘルメット治療でなぜ頭のゆがみの改善が期待できるのか、これまでどれほどの数の赤ちゃんが治療を受けてきたのかなど、気になりますよね。今回はヘルメット治療の医学的根拠、治療のメカニズム、ヘルメット治療の歴史について医師に聞きました。

ヘルメット治療でなぜ赤ちゃんの頭のゆがみが治るのか気になる方も多いと思います。ヘルメット治療のメカニズムについて教えていただけますか。
ヘルメット治療は「赤ちゃんの頭の骨がやわらかい」特性を生かして頭のゆがみを改善していく治療法です。赤ちゃんのやわらかな頭を保護しながらすでにゆがんで出っ張った部分を適度に加圧していくことで、頭の形を整えていきます。
なぜ、赤ちゃんの頭の骨はやわらかいのでしょうか?
急速な脳の発達に対応するためです。生まれて間もない赤ちゃんは頭の骨が大人のように全体でひとつになっているのではなく、いくつかのピースにわかれています。骨そのものもやわらかいので、赤ちゃんの脳の成長に柔軟に対応できるのです。
実際、ヘルメット治療の効果があるという医学的根拠はありますか?
はい。アメリカやヨーロッパで行われた研究では、寝かせる向きや抱っこの向きなどを変える方法と比べて、ヘルメット治療のほうが短期間で頭のゆがみが改善されたとの結果が発表されています。
ヘルメット治療は医学的にも一定の効果があることが示されているのですね。そもそもどういった経緯でヘルメット治療が生まれたのでしょうか?

ヘルメット治療は1979年に、アメリカの医師が、頭のゆがみを持っていた自身の赤ちゃんに対してヘルメットをかぶせたことが始まりだと言われています。その結果を報告したことから、医療関係者を中心にヘルメット治療が広まっていきました。

もともと欧米は日本と違って赤ちゃんをうつぶせで寝かせる習慣がありました。しかしうつぶせ寝が乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めることがわかり、1992年から赤ちゃんを仰向けで寝かせることが勧められるようになったのです。仰向け寝が広まると同時に頭のゆがみを持つ赤ちゃんも増え、多くの人がヘルメット治療に関心を持つようになりました。

今では、アメリカでは50種類以上のヘルメットが国の認可を受けて販売され、年間1万人以上の赤ちゃんがヘルメット治療を受けていると言われます。アメリカだけでなく、世界では2000年から2018年の間に30万人以上の赤ちゃんがヘルメット治療を受けています。

アメリカを中心にして、海外では注目されている治療なのですね。日本ではどうでしょうか?

後頭部が扁平な状態を「絶壁」と呼ぶほど、日本には昔から頭のゆがみを持つ赤ちゃんが多かったと考えられています。そのため、頭のゆがみを気にする人はそれほど多くありませんでした。

しかし、最近は赤ちゃんの頭の形について気にする方が増えてきており、それにともなってヘルメット治療も注目されています。

2012年、日本で初めてヘルメット治療が行われたのを皮切りに、だんだんとヘルメット治療を行う病院が増えてきました。日本では、2006年から2015年の間に2000人以上の赤ちゃんがヘルメット治療を受けています。

今では日本人の赤ちゃんや日本の気候に合わせた、日本製のヘルメットも登場しています。

ヘルメット治療は日本でも広まりつつある治療法なのですね。治療を検討する際に治療費を気にされる方も多いと思いますが、ヘルメット治療の費用はどれくらいでしょうか?

ヘルメット治療の費用は、ヘルメットの種類や病院によって異なります。だいたい30万〜70万円程度が目安です。日本ではヘルメット治療に対して健康保険が適用されないため、費用にばらつきがあります。

費用について気になる場合は、受診先の病院で確認することをおすすめします。

ヘルメット治療を希望する場合には、どうすればよいですか?

ヘルメット治療は治療を行える病院が限られています。そのため、治療用ヘルメットのメーカーのホームページなどで病院を探すか、かかりつけの小児科の医師から病院を紹介してもらう形で受診先の病院を探します。

ヘルメット治療を受けるには専門医による診断が必要なので、まずは医師に相談するとよいでしょう。

ヘルメット治療は海外では20年以上の歴史と実績を持つ、赤ちゃんのゆがみに対する治療法です。赤ちゃんの頭のゆがみの多くは治療できるので、お子さんの頭のゆがみが気になったら、なるべく早めに一度、かかりつけの小児科の先生やヘルメット治療を実施している病院にご相談ください。

早めに受診することで頭のゆがみの原因を早期に発見し、原因に応じて治療を行えます。赤ちゃんの頭がやわらかい、治療に適切な時期を逃さないためにも、様子見をせず早めに受診することをおすすめします。

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お話を聞いた先生

橋都浩平先生

橋都 浩平(はしづめこうへい)先生

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字社医療センター小児外科部長、
東京大学小児外科教授を歴任後、東京西徳洲会病院で総長を務める。
同院を退任後、ドリームインキュベータ常勤監査役等を経て、
現在はジャパン・メディカル・カンパニー社外取締役及びメディカルノート社外取締役。
これからの医療には産業界との連携が必要不可欠と考え、医療人と企業人、
双方の視点から医療の進歩に日々貢献している。