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【プレスリリース】サウジアラビアで開催された国際ハンズオンワークショップにてジャパン・メディカル・カンパニー社製の医療用精密立体模型「KEZLEX」が使用されました

2025.01.17
サウジアラビアで初めて神経内視鏡に特化したハンズオンワークショップが、イマーム・アブドゥルラフマン・ビン・ファイサル大学(Imam Abdulrahman Bin Faisal University、以下 IAU大学)とIFNE(国際神経内視鏡連盟)の共同主催により開催されました。本ワークショップにおいて、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:大野秀晃、以下「当社」)が開発・製造・販売する医療用精密立体模型「KEZLEX」が採用され、参加者からその高い製品性能と学習効果が高く評価されました。 当社が開発した医療用精密立体模型「KEZLEX」は、先進的な3Dプリンティング技術と、当社が長年にわたり培ってきた医療分野におけるモノづくりのノウハウを結集した製品です。本製品は脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科などの多岐にわたる専門分野において高い評価を得ており、30年近くにわたり、国内外のハンズオンセミナーにおいて外科手術技術の向上を目指した教育ツールとして広く活用されております。
2024年12月9日(月)および10日(火)の両日、IAU大学とIFNEの共同主催により「第1回 IAU-IFNE神経内視鏡ハンズオンワークショップ」が開催されました。本ワークショップには、サウジアラビアをはじめ、バーレーンなど近隣諸国からも多くの若手脳神経外科医が参加し、手術技術の向上を目的とした高度なトレーニングが行われました。日本からは、当社と共同でKEZLEX模型の開発を進めている脳神経外科医3名が講師として参加し、製品の特性を最大限に活かした指導を現地で行いました。当社スタッフも講師および受講者のサポートを実施し、KEZLEXを活用したトレーニングを成功裏に支援いたしました。
参加者からは、「KEZLEXは人体と遜色ない再現性を備え、日本の医師による指導と相まって非常に実践的かつ有意義な学びが得られた」との高い評価をいただきました。 このようなハンズオンワークショップは、医師同士が教え合い、互いの技術を磨く場となることで、手術の安全性を向上させるとともに、医療の均てん化を促進する上で極めて重要な機会となります。当社製品が国内外で広く活用され、医療技術の発展に寄与していることを誇りに感じるとともに、今後もグローバルな医療ニーズに応える製品開発に邁進してまいります。
当社は、コーポレートミッションである「世界にまだない、選択肢をつくる。」を指針とし、製品力とサービス力を一層強化することで、医療業界の発展に寄与し続けるとともに、「世界最高」の医師とともに、「世界最高」のものづくりと「世界最高」のサービスを通じて、世界中の患者様に安心と健康を提供することを目指してまいります。

ハンズオンワークショップを開催したイマーム・アブドゥルラフマン・ビン・ファイサル大学アブドラザック先生のコメント

アブドゥルラザック・アロジャン先生
(Prof. Abdulrazaq Alojan) 【略歴】
アブドゥルラザック・アロジャン教授は、イマーム・アブドゥルラフマン・ビン・ファイサル大学にて小児脳神経外科を専門とする准教授およびコンサルタント脳神経外科医として勤務しており、脳神経外科の分野で15年の経験を有しています。
同大学付属キング・ファハド大学病院の小児脳神経外科ユニットの責任者を務めるとともに、小児脳神経外科フェローシップおよびIAU脳神経外科研修プログラムのプログラムディレクターを務めています。
アロジャン教授は、先天性脳および脊髄異常の手術、頭蓋再建術、内視鏡的矯正手術、骨延長術、神経内視鏡手術、脳腫瘍手術において優れた実績を持っています。さらに、査読付き学術誌に数多くの研究論文を発表し、国内外の学会で発表を行っています。

1.IAU-IFNE神経内視鏡ハンズオンワークショップの意義
IAU-IFNE神経内視鏡ハンズオンワークショップは、異なる背景を持つ脳神経外科医が知識を共有し、技術を向上させるための独自の場を提供する、極めて重要な取り組みです。本ワークショップは、学術的卓越性の追求および国際的な連携の強化という私たちの理念に完全に合致しています。さらに、若手医師が世界的に著名な専門家から直接学ぶ貴重な機会を提供するとともに、当施設の高い能力を国内外に示す場としても大変有意義なものとなっています。

2.今後の協力への期待
私は、IFNEの講師陣、日本の脳神経外科医、さらにはジャパン・メディカル・カンパニー社を筆頭とする医療関連企業との今後の協力関係に対し、極めて大きな期待を抱いております。日本は、医療研究およびイノベーションの分野において、長年にわたり卓越した伝統と実績を誇る国です。このような協力関係を通じて、私たちの専門知識を融合させ、最先端の技術や革新的な治療法の開発を実現できるものと確信しております。具体的には、共同研究プロジェクト、交流プログラム、そして優良事例の共有といった取り組みが、今後の協力関係における重要な柱となると考えております。

3.学びと知識共有の重要性
現代の相互に結びついた社会において、さまざまな地域や文化的背景を超えた学びと知識の共有が持つ重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。異なる視点や経験を積極的に取り入れることにより、私たちは視野をさらに広げ、複雑な課題に対する革新的な解決策を見出すことが可能となります。IAU-IFNE神経内視鏡ハンズオンワークショップは、医学の進歩と患者ケアの向上を目指した国際的な協力の力を体現するものであり、その意義は極めて大きいといえます。
ハンズオンワークショップに講師として参加した医師からのコメント
新潟医療センター脳神経外科 西山健一先生 【認定資格・所属学会】
・日本脳神経外科学会専門医
・日本神経内視鏡学会技術認定医(評議員)
・日本小児神経外科学会(評議員)
・International Federation of Neuroendoscopy
 (President-elect)
・World Neurosurgery
  (Section editor; Hydrocephalus and CSF disorders)
1.ハンズオンワークショップの概要とねらい
International Federation of Neuroendoscopy(IFNE)のミッションの一つに、神経内視鏡手術の「教育および普及活動」と「国際協力」があります。これは、世界中の医療従事者に向けた教育やトレーニングを通じて、技術と知識の普及を図るとともに、国や地域を越えた連携を強化し、神経内視鏡手術分野の発展を目指すものです。
IFNEはこれまで、このミッションに基づき様々な国で教育活動やワークショップを行ってきました。今回サウジアラビアで開催したハンズオンワークショップは、同国で初めて脳室系をターゲットにしたものです。このような歴史的な場において、IFNEが力を発揮し、サウジアラビアと世界をつなぐ懸け橋の役割を果たせたことは大変意義深いと感じています。

2.講師として参加した感想
参加者の技量や経験に差があるのはどの国でも共通ですが、今回のワークショップでは小児神経外科医やレジデントの若手医師が多数参加し、熱意に満ちた素晴らしい雰囲気で進行しました。特に、サウジアラビアの医師たちは英語が堪能であったため、意思疎通がスムーズに行えました。
ワークショップでは、神経内視鏡の基本的な使用方法から手術手技、さらに科学的エビデンスに基づく知識の習得まで、幅広い内容を無駄なくカバーしました。第1回としては、大変成功したプログラムだったと確信しています。

3.IFNEの今後の展開
IFNEはこれまでも独創的で質の高い活動を展開してきました。常に新規性を持つプログラムを提供し、最新の道具や技術を活用して、参加者のスキル向上を支援しています。
今後も、ジャパン・メディカル・カンパニー社をはじめとする協力者とともに、このような実践的なワークショップを世界各地で継続的に開催していきたいと考えています。また、2025年2月にナポリで予定されているイベントに向けて、より充実した内容のプログラムを準備し、IFNEのミッションをさらに発展させていく所存です。
慶應義塾大学医学部脳神経外科 三輪点先生 【認定資格・所属学会】
・日本脳神経外科学会・専門医
・日本神経内視鏡学会技術認定医・評議員
・日本小児神経外科学会認定医・評議員
・日本脳神経外科コングレス
・日本小児科学会
・日本脳卒中学会専門医・指導医
・日本頭蓋底外科学会
・日本小児血液がん学会
・日本脳腫瘍の外科学会
・日本脳腫瘍学会
・脳神経外科手術と機器学会
・日本整容脳神経外科学会
・日本水頭症脳脊髄液学会
・Craniosynostosis研究会
・東京脳腫瘍治療懇話会
・国際水頭症学会
・International Federation of Neuroendoscopy (IFNE)
1.ハンズオンワークショップの概要とねらい
今回、1st IAU – IFNE Neuroendoscopic Hand-on Workshopがサウジアラビアのダンマームで開催されました。IFNEからとして3名の日本の医師が招待され、ジャパン・メディカル・カンパニー社の脳室モデルを使用した、サウジアラビアで初めての神経内視鏡ハンズオンになりました。
2日間にわたり、講義とケースディスカッション、ハンズオン、と盛りだくさんの内容でした。当日は約50名の受講生が集まり、またKing Fahad Hospital of the UniversityのAbdulrazaq Al Ojan教授をはじめ、教室員の方々の熱烈で温かいおもてなしはとても素晴らしいものでした。

2.講師として参加した感想
サウジの受講生の神経内視鏡に対する興味、熱意は熱いものがあり、多くの質問もいただきました。今回も軟性鏡を日本から持ち込んで実習を行いましたが、初めて触るのにもかかわらず、上手に使いこなせている受講生も多かったです。
またジャパン・メディカル・カンパニー社の脳室モデルの評判もよく、サウジアラビアの先生方もその精巧さ、使用しやすさに大変満足されていました。

3.IFNEの今後の展開
今回のサウジのように、これまで神経内視鏡ハンズオンが行われていない国にも是非ともご協力できればと思います。また今後は、新たにジャパン・メディカル・カンパニー社と共同開発した透明脳モデル(※注)を利用することにより、内視鏡自体の動き、硬性鏡/軟性鏡の動きの違いなど、今まで可視化できなかったものを世界に見せて行きたいと思っております。
※注:ジャパン・メディカル・カンパニーが世界初となる透明脳モデルを日本神経内視鏡学会イブニングセミナーにて公開しました

名古屋大学脳神経外科 竹内和人先生 【認定資格・所属学会】
・脳神経外科専門医、指導医
・神経内視鏡技術認定医
・日本内分泌学会内分泌代謝内科(脳神経外科)専門医
・日本脳神経外科学会
・日本間脳下垂体腫瘍学会
・日本内分泌学会
・日本神経内視鏡学会
・日本頭蓋底腫瘍学会
・日本脳腫瘍の外科学会
・脳神経外科手術と機器学会
1.ハンズオンワークショップの概要とねらい
サウジアラビア初の内視鏡ハンズオンワークショップであり、IFNEとの共催で開催されましたた。特に小児領域における内視鏡の拡大を目的としての開催となりました。

2.講師として参加した感想
サウジアラビアのtraineeは皆積極的であり楽しくハンズオンを施行することができました。内視鏡に慣れていない医師も多い印象でありましたが、それだけにハンズオンワークショップによる教育の爆発力が期待できると感じています。初回ということもあり、時間配分は難しかったですが、今後の開催予定もあるということなので、回を重ねるごとに洗練されることを期待しています。

3.IFNEの今後の展開
例年、IFNEが行う2月のナポリでのセミナーではシリンダー手術を担当しています。今後、日本神経内視鏡学会技術認定講習会においてもシリンダー手術ワークショップが計画されていますので、これを見据えたハンズオンの習得内容を検討していきたいと考えています。
KEZLEXについて
当社が開発・製造・販売する医療用精密立体模型「KEZLEX」は人骨と同様の削り心地、人体の内部構造を再現しています。過去30年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の先生方と共に幾度もの改良の末に開発に至りました。医師の経験と3Dプリンティングをベースにする当社のモノづくりのノウハウが組み合わされたモデルです。国内外のハンズオンセミナーや、術前・術野でのシミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど、世界50ヵ国以上での導入経験を有しています。
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