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【プレスリリース】関西医科大学附属病院 脳神経外科が病的頭蓋変形の術後治療にジャパン・メディカル・カンパニー社製オーダーメイドヘルメットを初採用/乳児の頭蓋健診および病的頭蓋変形症へのヘルメット治療を開始

2025.02.14
関西医科大学附属病院(大阪府枚方市)脳神経外科において、病的頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症など)で手術を受けた児の術後治療に、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:大野秀晃、以下「当社」)が開発・製造する完全オーダーメイドの頭蓋矯正ヘルメットが初めて採用されました。この取り組みは、関西医科大学附属病院としても初の試みであり、患者さまとご家族さまへの安心・安全な治療の提供と医療サービスの向上を目指しています。 背景とまとめ

頭部のゆがみには、向き癖が主な原因となる位置的頭蓋変形症と、手術が必要となる病的頭蓋変形症があります。小児脳神経外科の専門医など経験豊富な医師が、レントゲンなどの検査を通じて頭のゆがみの原因を適正に診断し、患者ごとに最適な治療を提供することが肝要です。
近年、日本国内でヘルメット治療が一般化する一方で、レントゲン等の診断に必要な設備が整わないクリニックでの頭部のゆがみの診断や治療が行われるケースが増加しています。当社が提携する大学病院やこども病院には、他の医療機関でヘルメット治療の効果が得られず、セカンドオピニオンを求めて来院される患者さまが増えています。その中には、本来早期に手術が必要であった病的頭蓋変形の症例が含まれ、適正な治療を受けられなかったために、発達発育に遅れが残る可能性の事例もあると伺っています。
この度、関西医科大学附属病院 脳神経外科において病的頭蓋変形症の手術後治療に当社製のオーダーメイドヘルメットを活用いただくこととなり、より一層質の高い医療サービスの提供が可能となりました。



病的頭蓋変形治療の適正な頭蓋健診と治療および術後管理

  1. 適正な頭蓋健診
    小児脳神経外科の専門医が診断を担当することで、病的頭蓋変形を早期に発見し、適正な治療方針を迅速に決定できます。これにより、必要な治療の遅延を防ぎ、最適な治療を提供する環境を整えます。
  2. 適正な外科的手術
    症例に応じた最善の手術計画が立案され、高度な専門技術を持つ医師が精度の高い外科的治療を行います。これにより、治療の成功率を高め、患者さまに安全で信頼性のある治療を実現します。
  3. 適正な術後管理
    術後の頭部形状の矯正には、定期的な健診とヘルメットの調整が不可欠です。当院では、毎再診時にヘルメットのインナークッションを患児の治療状況に合わせてミリ単位で調整します。医師の指示による、一人ひとりの赤ちゃんに合わせたインナークッションの調整と交換は、ヘルメット作製時だけではなく治療の間も常にオーダーメイドであることを実現し、最良の治療効果を目指します。患者さま一人ひとりの成長に応じた継続的なフォローアップを行うことで、治療環境をさらに充実させています。
このような適正な頭蓋健診、外科的手術、術後管理を一気通貫で提供することで、患者さまとそのご家族にとって、安心・安全な医療体制を構築しています。



当社製オーダーメイドヘルメットの特徴

  • 高精度3Dスキャニング技術
    患児の頭部を正確に計測し、個々の頭蓋形状や術後の状態に合わせた完全オーダーメイドヘルメットを製作します。
  • 軽量・通気性に配慮した設計
    長時間装着しても快適性を保つ設計で、患児への負担を軽減します。
  • 継続的なフォローアップ体制
    装着期間中、定期的に頭部の成長を計測し、毎再診時に完全オーダーメイドで調整を行い、治療効果を最大化します。


関西医科大学附属病院 脳神経外科での初採用

関西医科大学附属病院 脳神経外科では、病的頭蓋変形症の術後治療に当社のオーダーメイドヘルメットを採用しました。同院の豊富な診療経験と当社の技術力を組み合わせることで、患者さまの頭部形状の改善とQOL(生活の質)の向上をより強力にサポートしてまいります。
日本小児神経外科学会理事長の埜中正博先生は、当社主催の「位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会」(※注)にご参加いただき、当社提携の他医療機関の頭かたち外来見学等を通じて、知見を取り入れるなど、常に治療技術の向上に努めておられます。当社は引き続き同院と連携し、安心・安全な医療を提供してまいります。
※注:ジャパン・メディカル・カンパニー社が「第4回 位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会」を2024年6月2日に開催



病院紹介:関西医科大学附属病院

大阪府枚方市に位置し、高度医療の臨床・研究に携わる大学病院として、そして北河内二次医療圏における基幹病院として、社会的な責務を果たしています。
大学病院には高度・先進医療を研究し、地域の皆様に還元していく社会的責任があります。関西医科大学附属病院は厚生労働大臣より承認を受けた特定機能病院として、一般の医療機関では実施することが難しい先進医療や高度医療を提供するために、最新医療機器の積極的な導入や、技術を持つ診療教授を増員。医療資源を最大限に活用することで、皆様に安全・安心で質の高い最先端医療の提供を目指しています。
安全・安心の医療を提供するためには、診療科や部門を超えた連携や、地域の医療機関との連携が不可欠です。関西医科大学附属病院は診療科の枠を超え、専門的な医療チームを形成するセンター化を推し進めています。また地域の医療機関との連携も盛んです。定期的な情報交換や医療情報の還元を通して信頼関係を築くことで、福祉や介護も含めた地域全体の医療を支える貢献をしています。

関西医科大学附属病院脳神経外科で治療を担当される先生よりコメント 脳神経外科 診療部長・診療科長・教授
埜中正博先生

【現職】
関西医科大学 脳神経外科 主任教授

【略歴】
1992年3月 大阪大学医学部卒業
1992年4月 大阪大学医学部附属病院研修医(脳神経外科)
1993年4月 市立吹田市民病院脳神経外科
1995年4月 大阪大学大学院(脳神経外科)入学
1997年4月 ペンシルバニア大学脳神経外科 神経外傷研究室に留学
2001年3月 大阪大学大学院卒業、学位取得
2001年4月 市立泉佐野病院脳神経外科
2002年4月 国立大阪病院 脳神経外科
2003年10月-2003年11月 国立成育医療センター 脳神経外科 派遣
2004年5月 大阪脳神経外科病院
2005年6月 国立病院機構大阪医療センター 脳神経外科
2013年4月 国立病院機構大阪医療センター 脳神経外科医長
2014年4月 関西医科大学脳神経外科診療教授(小児脳神経外科担当)
2024年4月 関西医科大学脳神経外科 主任教授

病的頭蓋変形の治療において、手術後良好な形状を誘導するために矯正用ヘルメットを使用することは重要です。手術直後は、頭蓋骨がまだ成長段階にあり、骨が柔らかく形状が変わりやすい状態です。この時期に矯正用ヘルメットを使用することで、手術によって整えた頭蓋の形状をさらに補正し、より自然で対称的な形に近づけることができます。
ヘルメットの使用にあたっては、定期的な調整とモニタリングが必要ですが、患者様やご家族との協力があれば治療の成功率は非常に高まります。また、装着中の不快感や皮膚トラブルといった懸念事項に対しても、適切な対処を行うことで問題を最小限に抑えることが可能です。今回使用させていただいたヘルメットはジャパン・メディカル・カンパニー社のスタッフの方のご支援のおかげで、特に問題なく使用することができました。
矯正用ヘルメットは、手術後の治療を補完する重要なツールです。これからも一人でも多くの患者様に最適な治療を提供できるよう、さらなる知見を深めていきたいと思っています。

当社製オーダーメイドヘルメットの導入により、関西医科大学附属病院の病的頭蓋変形術後治療に新たな選択肢が加わりました。今後も患者さまのより良い治療を実現するべく、引き続き技術開発と安全性・快適性の向上に努めてまいります。