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【プレスリリース】神奈川県立こども医療センターにて病的頭蓋変形の術後治療に当社製ヘルメット「Qurum Fit」を採用 完全オーダーメイドで頭蓋縫合早期癒合症術後の頭部保護と矯正を両立、すでに2例目の導入も決定

2025.08.13
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:大野秀晃、以下「当社」)が開発・製造する乳児用オーダーメイド頭蓋矯正ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」が、神奈川県立こども医療センター(神奈川県横浜市)において、病的頭蓋変形の術後管理に正式採用されました。
これにより、頭蓋縫合早期癒合症などにより外科手術を受けた患児に対して、術後の頭部保護と形状誘導の双方を目的とした治療が同院にて提供される体制が新たに整いました。
病的頭蓋変形の術後は、創部の保護とあわせて健常な成長方向へと頭蓋の形態を導く繊細な対応が求められます。このたび導入された「Qurum Fit」は、3Dスキャンと3Dプリント技術を用いた完全オーダーメイド製品であり、術後の個別状態に応じた高精度な設計・調整が可能です。術創部に不要な圧をかけず、かつ形状誘導を適切に行うためには、汎用的な製品ではなく、患児の頭蓋の状態に正確にフィットするオーダーヘルメットであることが必須条件です。
すでに同院では第1例目の治療が開始したうえ、2例目の実施も決定しており、今後も継続的な患児への展開が期待されています。当社は、医師の診断と治療方針に基づき、術後管理の質を高める精密なサポート体制を構築し、患者様とご家族の安心と納得に寄り添いながら、引き続き全力で支援してまいります。

現在、赤ちゃんの頭のかたち(頭蓋変形)に対する社会的関心は急速な高まりを見せており、X(旧Twitter)でのヘルメット治療をめぐる議論や、Abema TVなどのメディア報道でも注目を集めています。こうした関心の高まりの背景には、頭のかたちの問題が見た目だけではなく、病気の兆候である可能性や、将来的な健康への影響を含むことへの理解が進んできたことがあります。

8,400万回超表示されたX(旧Twitter)の投稿
上記Xの投稿を受けて放送されたAbema TVでの特集

一方で、正確な診断を経ずに安易にヘルメット治療が行われるケースや、手術が必要な病的頭蓋変形が見逃されてしまう事例も報告されており、こうした医療リスクへの対応は喫緊の課題となっています。そのような背景のもと、2024年に設立された「一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構」は、医学的根拠に基づいた診断・治療体制の標準化と、過剰治療や誤診の防止を目的に活動を開始しました。機構では、認定研修受講・認定試験・実地見学研修・適切な設備の保有などの要件をもとに医療機関を認定し、保護者が安心して治療を選択できる体制整備を進めています。
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当社も機構の理念に賛同し、研修会運営・製品提供・臨床連携を通じて医療現場の信頼性向上に貢献しています。神奈川県立こども医療センターにおける今回の取り組みは、まさに適正な頭蓋健診の先に、医学的に必要と判断された手術と術後矯正治療がシームレスに提供される「あるべき医療のかたち」の一例です。病気の場合は何よりも早期発見・早期治療が重要であり、それを可能にするのは、確かな知識と体制に基づいた診断です。

<神奈川県立こども医療センターについて>
神奈川県立こども医療センターは、1970年の開設以来、小児専門病院として小児医療の高度化と地域貢献を両立してきた医療機関です。NICUや小児外科を含む多職種連携体制を有し、神奈川県内外から多くの小児患者を受け入れています。
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本件の治療を担当するのは、小児脳神経外科部門を担う広川大輔先生(脳神経外科診療科長)と林朋子先生(脳神経外科医長)です。両医師は、手術から術後経過まで一貫して診療を行い、患児の状態に応じたヘルメット設計・処方・調整に取り組まれています。治療を担当する医師は一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構の定める認定研修と認定試験を受けており、神奈川県立こども医療センターも当機構の認定医療機関となっています。
当社専門スタッフも初回スキャンからフィッティング、経過観察に至るまで、医師と連携しながら現場で治療に参画し、精密なカスタマイズとサポートを行っています。

今まで病的頭蓋変形における縫合切除術後、早々にヘルメット治療を開始することにより、目標とする頭蓋形態への改善をご家族とともに実感してきました。病的頭蓋変形でも、罹患縫合や遺伝子異常によりさまざまな形態を呈するため、一例一例ヘルメット治療について検討しながら、より良い治療を患者さんに提供できるよう努めてまいります。


治療を担当する医師よりコメント

広川 大輔(ひろかわ だいすけ)先生
神奈川県立こども医療センター 脳神経外科 診療科長 【略歴】
2010年 三重大学医学部卒
     横浜市立大学附属市民総合医療センター 初期研修医
2012年 横浜市立大学附属病院 脳神経外科 後期研修医
     西新井病院 脳神経外科
2014年 東京都立多摩総合医療センター 脳神経外科
2015年 神奈川県立がんセンター 脳神経外科
2016年 国立成育医療研究センター 脳神経外科 フェロー
2018年 神奈川県立こども医療センター 脳神経外科
2024年 横浜市立大学大学院医学研究科 脳神経外科学
2025年 神奈川県立こども医療センター 脳神経外科 診療科長

【専門分野】
小児神経外科、神経内視鏡手術、小児脳腫瘍

【取得資格】
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本小児神経外科学会認定医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本臨床神経生理学会 術中脳脊髄モニタリング認定医

早期に発見された頭蓋縫合早期癒合症に対する治療において、術後の頭蓋形状保持・誘導は極めて重要な要素であり、ヘルメット療法はその一助となり得ます。近年の知見や蓄積された設計データに基づき、より精度の高い補助具の提供を通じて、治療成績の向上が期待されます。適応症例への対応を通じて、さらなる技術の発展にも寄与できれば幸いです。


林 朋子(はやし ともこ)先生
神奈川県立こども医療センター 脳神経外科 医長
【略歴】
2010年、山梨大学医学部医学科卒業。同年横浜医療センター初期臨床研修。
2012年-横浜南共済病院、神奈川県立がんセンター脳神経外科を経て、2016年10月-2020年神奈川県立こども医療センター脳神経外科勤務。
2018年-横浜市立大学脳神経外科教室非常勤講師。
2020年-2024年神奈川リハビリテーション病院脳神経外科、2024年神奈川県立こども医療センター脳神経外科医長。現在に至る。

【取得資格】
脳神経外科専門医、指導医
日本小児神経外科学会認定医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本臨床神経生理学会認定医(術中脳脊髄モニタリング分野)
横浜市立大学医学部医学科非常勤講師

今まで病的頭蓋変形における縫合切除術後、早々にヘルメット治療を開始することにより、目標とする頭蓋形態への改善をご家族とともに実感してきました。病的頭蓋変形でも、罹患縫合や遺伝子異常によりさまざまな形態を呈するため、一例一例ヘルメット治療について検討しながら、より良い治療を患者さんに提供できるよう努めてまいります。





<今後の展望>
当社は、神奈川県立こども医療センターをはじめとする全国の小児医療機関や大学病院と連携し、病的頭蓋変形に対する医療の質を一層高めるべく、製品・技術・運用体制の強化に努めてまいります。これからも、赤ちゃんとそのご家族が安心して診療に臨める社会の実現を目指し、誠実に医療に向き合ってまいります。
下記は当社製のヘルメットを用いて、頭蓋縫合早期癒合症を筆頭とする病的頭蓋変形に対する術後ヘルメット治療が受けられる全国の施設一覧です。

【北海道】北海道立子ども総合医療・療育センター
【福島県】公益財団法人湯浅報恩会 寿泉堂綜合病院
【栃木県】自治医科大学とちぎ子ども医療センター
【東京都】慶應義塾大学病院
【東京都】順天堂大学医学部附属順天堂医院
【東京都】東京都立小児総合医療センター
【東京都】0歳からの頭のかたちクリニック東京日本橋
【東京都】0歳からの頭のかたちクリニック表参道神宮前
【長野県】長野県立こども病院
【石川県】金沢大学附属病院
【富山県】富山大学附属病院
【愛知県】ナゴヤガーデンクリニック/あいち小児保健医療総合センター
【大阪府】大阪医科薬科大学病院
【大阪府】関西医科大学附属病院
【大阪府】大阪母子医療センター
【大阪府】0歳からの頭のかたちクリニック関西
【奈良県】奈良県立医科大学附属病院
【兵庫県】兵庫県立こども病院
【広島県】広島大学病院
【山口県】山口大学医学部附属病院
【福岡県】産業医科大学病院
【福岡県】0歳からの頭のかたちクリニック福岡
【長崎県】長崎大学病院

上記の各医療機関における「赤ちゃんの頭のかたち外来」の開設や当社との共同研究など、乳児の頭蓋健診や頭蓋矯正治療等に関する報道発表は以下のとおりです。

医療機関名

報道発表

北海道立子ども総合医療・療育センター

北海道立子ども総合医療・療育センターに「赤ちゃんの頭のかたち外来」が開設 ジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメットを用いた「赤ちゃんの頭のかたち」矯正治療が受けられるようになります

慶應義塾大学病院

慶應義塾大学病院に「赤ちゃんの頭のかたち外来」が開設 ジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメットを用いた「赤ちゃんの頭のかたち」矯正治療(ヘルメット治療)が受けられるようになります

ジャパン・メディカル・カンパニーが慶應義塾大学と共同研究契約を締結し頭蓋変形に関する研究を開始

順天堂大学医学部附属順天堂医院

順天堂大学医学部附属順天堂医院にて乳児の頭蓋健診と病的頭蓋変形症へのヘルメット治療が開始

金沢大学附属病院

金沢大学附属病院に「頭のかたち外来」が開設/ジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメットを用いた「赤ちゃんの頭のかたち」矯正治療(ヘルメット治療)が受けられるようになります

富山大学附属病院

富山大学附属病院とジャパン・メディカル・カンパニーが「日本の小児における頭蓋変形の疫学調査」についての共同研究を開始

富山大学と福島県立医科大学、ジャパン・メディカル・カンパニーの三者が「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」に関する共同研究を開始

ナゴヤガーデンクリニック

あいち小児保健医療総合センター

あいち小児保健医療総合センターとジャパン・メディカル・カンパニーが共同研究契約を締結、「頭蓋縫合早期癒合症に対する縫合切除術後治療にヘルメット治療が与える影響」に関する研究を開始

関西医科大学附属病院

関西医科大学附属病院 脳神経外科が病的頭蓋変形の術後治療にジャパン・メディカル・カンパニー社製オーダーメイドヘルメットを初採用/乳児の頭蓋健診および病的頭蓋変形症へのヘルメット治療を開始

大阪母子医療センター

2025年4月より大阪母子医療センターにおいて、小児頭蓋矯正治療の専門医師がジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」を用いた治療を開始しました

奈良県立医科大学附属病院

奈良県立医科大学附属病院に「赤ちゃんの頭のかたち外来」が開設/ジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメットを用いた「赤ちゃんの頭のかたち」矯正治療(ヘルメット矯正)が受けられるようになります

広島大学病院

ジャパン・メディカル・カンパニーが広島大学病院脳神経外科主催「広島小児神経セミナー2023」の共催をしました

ジャパン・メディカル・カンパニーが広島大学病院脳神経外科主催「広島小児神経セミナー2024」の共催をしました

産業医科大学病院

産業医科大学病院に「赤ちゃんの頭のかたち外来」が開設/ジャパン・メディカル・カンパニー社製のヘルメットを用いた「赤ちゃんの頭のかたち」矯正治療(ヘルメット治療)が受けられるようになります

産業医科大学病院で「赤ちゃんの頭のかたち外来」に関する院内説明会を開催

0歳からの頭のかたちクリニック福岡

九州初上陸!「0歳からの頭のかたちクリニック福岡」2025年3月14日開院、適正な頭蓋健診と株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー社製ヘルメットを用いた頭蓋矯正治療の提供を開始

長崎大学病院

国内初「乳幼児の頭蓋変形」に関する大規模研究。2023年5月 五島での出生児および在住児を対象に長崎大学を中心とした研究グループが開始。

長崎大を中心とする国内初の「乳幼児の頭蓋変形」に関する大規模研究が2024年度科学研究費助成事業として採択、研究の更なる発展が期待されます

2025年7月より国立大学法人長崎大学病院にて、乳児頭蓋矯正治療の専門医師による株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー製ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」を用いた治療が開始されました