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【プレスリリース】富山大学と福島県立医科大学、ジャパン・メディカル・カンパニーの三者が「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」に関する共同研究を開始
2024.06.13
国公立大学法人富山大学(以下、富山大学)と公立大学法人福島県立医科大学(以下、福島県立医科大学)ならびに株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下当社)が共同研究契約を締結、「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」に関する研究を開始しました。
富山大学と福島県立医科大学と当社は三者間で「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築に関する研究」についての共同研究契約を締結し、良性発作性頭位めまい症(BPPV)において、ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築を用いた理学療法を理解するのに重要となる新たな膜迷路モデルの作製に着手。
本研究により現在開発中の新しい膜迷路モデルを用いた頭部模型については、8月にスウェーデンで開催されるバラニー学会(めまいの世界的な学会)でのポスター発表も予定しています。
Bárány Society meeting 2024:https://www.barany2024uppsala.com/
BPPVは卵形嚢の耳石が平衡班から脱落し、半規管内に迷入することにより生ずる回転性めまい発作が特徴であり、めまいは特定の位置に頭を動かす時に誘発されます。BPPVは耳性めまいで最多の疾患であり、半規管内に迷入した耳石を卵形嚢に戻す理学療法を施すことが重要です。これまで理学療法の理解のための医療模型としては、側頭骨CTの画像を元に作製された骨迷路モデルが用いられてきました。この骨迷路モデル内臓頭部模型(BPPV練習用)は、後半規管型BPPVに対すEpley法の手技理解には有用ですが、外側半規管型BPPVに対するLempart法の理解には役立たちませんでした。そこで、富山大学・福島県立医科大学・ジャパンメディカルカンパニーの共同研究では、ヒト側頭骨標本のデータを用いて世界初の膜迷路モデル内臓頭部模型を開発することとしました。本模型は、BPPVに対する代表的な理学療法であるEpley法およびLempart法の手技理解に役立ち、トレーニングに活用されることで、日常臨床での適切な手技普及は医学教育に寄与することが期待されます。
また本研究を行うにあたって將積教授からヒト側頭骨連続切片の膜迷路を参考にしたいとお話しがあり本研究に携わることとなりました。ヒト側頭骨連続切片が今後様々な臨床解剖の解明に利用され耳疾患の病態の解明や治療に役立てればと願っています。 ・KEZLEXについて
当社が開発・製造・販売する精密医療模型(KEZLEX)は人骨と同様の削り心地、人体の内部構造を再現しています。過去30年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の先生方と共に幾度もの改良の末に開発に至りました。医師の経験と3Dプリンティングをベースにする当社のモノづくりのノウハウが組み合わされたモデルです。国内外のハンズオンセミナーや、術前・術野でのシミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど、世界50ヵ国以上での導入経験を有しています。
https://www.kezlex.com/
富山大学と福島県立医科大学と当社は三者間で「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築に関する研究」についての共同研究契約を締結し、良性発作性頭位めまい症(BPPV)において、ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築を用いた理学療法を理解するのに重要となる新たな膜迷路モデルの作製に着手。
本研究により現在開発中の新しい膜迷路モデルを用いた頭部模型については、8月にスウェーデンで開催されるバラニー学会(めまいの世界的な学会)でのポスター発表も予定しています。
Bárány Society meeting 2024:https://www.barany2024uppsala.com/
富山大学医学部 耳鼻咽喉科頭頚部外科学教室 第三代教授 將積 日出夫先生よりコメント
【世界初の膜迷路モデルを用いた良性発作性頭位めまい症(以下、BPPV)治療練習用頭部模型の開発について】BPPVは卵形嚢の耳石が平衡班から脱落し、半規管内に迷入することにより生ずる回転性めまい発作が特徴であり、めまいは特定の位置に頭を動かす時に誘発されます。BPPVは耳性めまいで最多の疾患であり、半規管内に迷入した耳石を卵形嚢に戻す理学療法を施すことが重要です。これまで理学療法の理解のための医療模型としては、側頭骨CTの画像を元に作製された骨迷路モデルが用いられてきました。この骨迷路モデル内臓頭部模型(BPPV練習用)は、後半規管型BPPVに対すEpley法の手技理解には有用ですが、外側半規管型BPPVに対するLempart法の理解には役立たちませんでした。そこで、富山大学・福島県立医科大学・ジャパンメディカルカンパニーの共同研究では、ヒト側頭骨標本のデータを用いて世界初の膜迷路モデル内臓頭部模型を開発することとしました。本模型は、BPPVに対する代表的な理学療法であるEpley法およびLempart法の手技理解に役立ち、トレーニングに活用されることで、日常臨床での適切な手技普及は医学教育に寄与することが期待されます。
福島県立医科大学 医学部 耳鼻咽喉科学講座 教授 室野 重之先生よりコメント
この度の膜迷路モデルは、これまでの骨迷路モデルでの浮遊耳石置換における疑問点を改良した画期的なものです。私どもの教室で先輩方が脈々と積み上げて来られた側頭骨標本の研究が、平衡系という新たな視点でこのような臨床に活かされることとなり大変喜ばしく思っております。耳石置換の理学療法時における耳石の動きをより詳細なモデルで可視化できることは、大学で勤務している者として、専攻医の実践的な教育ならびに学部学生の手を動かす実習による体験的な教育として非常に有意義なものと考えています。内耳の研究者のみならず、医学部の卒前・卒後教育においても大変役に立つものであると期待しております。福島県立医科大学 医学部 耳鼻咽喉科学講座/だて耳鼻科パオパオ 鈴木 聡明先生よりコメント
本来BPPVの浮遊耳石は膜迷路内に存在しているものです。従来のBPPV治療練習用モデルは骨迷路をもとに作成したものであり、三半規管内の耳石が前庭に落ちずに別の半規管に入ってしまうことがあり実臨床の浮遊耳石置換法とは違う結果になることがありました。今回膜迷路でBPPV治療練習用モデルを作成することでより実臨床に即した浮遊耳石置換法の練習を行うことが可能となると思われます。また本研究を行うにあたって將積教授からヒト側頭骨連続切片の膜迷路を参考にしたいとお話しがあり本研究に携わることとなりました。ヒト側頭骨連続切片が今後様々な臨床解剖の解明に利用され耳疾患の病態の解明や治療に役立てればと願っています。 ・KEZLEXについて
当社が開発・製造・販売する精密医療模型(KEZLEX)は人骨と同様の削り心地、人体の内部構造を再現しています。過去30年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の先生方と共に幾度もの改良の末に開発に至りました。医師の経験と3Dプリンティングをベースにする当社のモノづくりのノウハウが組み合わされたモデルです。国内外のハンズオンセミナーや、術前・術野でのシミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど、世界50ヵ国以上での導入経験を有しています。
https://www.kezlex.com/