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【プレスリリース】富山大学、福島県立医科大学、ジャパン・メディカル・カンパニーの三者による共同研究「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」について国際学会でポスター発表

2024.09.12
国公立大学法人富山大学(以下、富山大学)と公立大学法人福島県立医科大学(以下、福島県立医科大学)ならびに株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下当社)による共同研究「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」について、2024年8月25日(土)~8月28日(水)にスウェーデンで開催された世界最大のめまいに関する国際学会であるバラニー学会(Bárány Society)でポスター発表がされました

富山大学と福島県立医科大学と当社の三者は「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築に関する研究」についての共同研究契約を締結(※注)し、良性発作性頭位めまい症(BPPV)において、ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築を用いた理学療法を理解するのに重要となる新たな膜迷路モデルの作製に着手しました。
本研究が契機となり開発が進んでいる新しい膜迷路モデルを用いた頭部模型について、8月25日(土)~8月28日(水)にスウェーデンで開催されたバラニー学会(めまいの世界的な学会)で、富山大学 將積教授がポスター発表を行いました。 Bárány Society meeting 2024:https://www.barany2024uppsala.com/
※注:富山大学と福島県立医科大学、ジャパン・メディカル・カンパニーの三者が「ヒト側頭骨標本観察による内耳構造の三次元構築」に関する共同研究を開始

この世界にないものを研究意欲の高い医師とともに共同研究を通じて想像し創造できること、また世界各国の医師たちに高い評価と関心を得たことは、当社のコーポレートビジョンである「世界にまだない、選択肢をつくる。」の実現につながります。 今後も想像と創造を軸に、開発力と製造力を高め、医師のニーズにお応えする製品を開発することで医療業界の発展に貢献してまいります。

【富山大学医学部 耳鼻咽喉科頭頚部外科学教室 第三代教授 將積日出夫 医師よりコメント】
▼今回のポスター発表の内容
側頭骨の病理標本を元に作成した三半規管膜迷路モデルと従来の三半規管骨迷路モデルを使用して、後半規管型良性発作性頭位めまい症(BPPV)の代表的な浮遊耳石置換法であるエプリ法と外側半規管型BPPVの代表的な浮遊耳石置換法であるレンパート法の手技を行い、モデル内の浮遊耳石の移動を比較した。膜迷路モデルは骨迷路モデルに比べて浮遊耳石置換法の手技の理解のため有用であることが明らかとなった。

▼共同研究の概要
三半規管骨迷路モデルを配置したBPPV治療練習用頭部模型は当講座の将積日出夫の発案によりジャパン・メディカル・カンパニー(当時 株式会社大野興業)製作された。同模型を用いてエプリ法の手技を行うと、第三頭位で浮遊耳石が全て前半規管に移動することが観察される。実臨床では同様の現象が起こっていると観察されることは僅かである。そこで、福島県立医大の側頭骨バンクにある側頭骨の病理標本などを参考に膜迷路モデルを作成した。浮遊耳石置換法の手技の理解のため、膜迷路モデルを用いた実証研究を継続している。

▼バラニー学会に参加した感想
バラニー学会は、耳鼻咽喉科でノーベル賞を受賞したバラニー博士の功績を称えて設立された国際的なめまいの学会であり、学会会員の国々にて2年に1回、発祥のスウェーデン王国では6年に1回の割合で開催され、今回はウプサラコンサート&コングレスセンターでの学会に総勢で約800名の研究者が世界各国から参加した。我々の膜迷路モデルに対して興味を持った研究者と意見交換でき、有意義な時間を過ごすことが出来た。

・KEZLEXについて
当社が開発・製造・販売する精密医療模型(KEZLEX)は人骨と同様の削り心地、人体の内部構造を再現しています。過去30年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の先生方と共に幾度もの改良の末に開発に至りました。医師の経験と3Dプリンティングをベースにする当社のモノづくりのノウハウが組み合わされたモデルです。国内外のハンズオンセミナーや、術前・術野でのシミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど、世界50ヵ国以上での導入経験を有しています。
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