世界初の鼓膜再生療法を次世代へ。医療用精密立体モデル「KEZLEX」がハンズオンセミナーの実習教材として採用
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下当社)は、公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 特任部長/難聴・鼓膜再生センター長の金丸眞一先生らが講師を務める鼓膜再生療法ハンズオンセミナーにおいて、当社の医療用精密立体モデル「KEZLEX(ケズレックス)」をもとに製作した鼓膜再生療法ハンズオン用医療模型が、実習教材として採用・活用されたことをお知らせします。
本セミナーでは、鼓膜再生療法に関する講義に加え、薄く繊細な鼓膜の形状と質感、鼓膜輪、耳小骨、鼓索神経、軟組織などを再現した医療模型を用いたハンズオンが行われました。参加した医師は、講師の指導のもと、鼓膜穿孔縁の新鮮創化を含む鼓膜再生療法の一連の手技を、実際の治療を想定しながら学びました。
新しい治療法は、開発・実用化されるだけでなく、その治療を担う医師が考え方と手技を正しく学び、次世代へ継承していくことで、より多くの患者様が安心して受けられる治療として広がっていきます。今回の採用は、当社が培ってきた3D医療ものづくりが、手術前シミュレーションや医師教育に加え、世界初の鼓膜再生療法の普及と技術継承を支える教育現場で活用された事例です。
金丸先生からは、セミナー終了後、「ハンズオンは大変好評で、臨場感が素晴らしいという意見がありました」とのコメントをいただいています。

│本リリースのポイント
- 世界初の鼓膜再生療法を次世代の医師へ継承するハンズオンセミナーで、KEZLEXをもとに製作した医療模型が実習教材として採用
- 薄く繊細な鼓膜の形状と質感に加え、鼓膜輪、耳小骨、鼓索神経、軟組織など、鼓膜再生療法の手技に関わる構造を再現
- 約四半世紀前に製作された側頭骨モデルへの医師の記憶が、現在のKEZLEXの教育現場での活用へとつながった事例
鼓膜再生療法は、鼓膜穿孔などに対する低侵襲な治療選択肢として、金丸眞一先生が開発・普及に取り組んできた治療法です。金丸先生は、患者様への治療の普及だけでなく、その治療手技を適正に継承するための医師教育にも力を注いでいます。
本ハンズオンセミナーは、鼓膜再生療法に関する知識の理解と、実践的な手技の習得を目的として開催されました。講師を務めたのは、公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 特任部長/難聴・鼓膜再生センター長の金丸眞一先生、島根大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師の金井理絵先生、医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の山口智也先生です。
参加者は、講義によって治療の考え方を学ぶだけでなく、医療模型を使用し、実際の治療を想定して手を動かしながら一連の手技を確認しました。講義による知識習得に加え、処置部位を立体的に理解し、器具操作や手技の流れを体験できるハンズオン形式の教育は、新しい治療法を適正に継承していくうえで重要な役割を果たします。
│講義だけでは伝えきれない、鼓膜再生療法の手技と感覚
鼓膜再生療法では、鼓膜に生じた穴の縁を整える「新鮮創化」が重要な工程の一つとなります。鼓膜は薄く繊細な組織であり、周囲には鼓膜を支える鼓膜輪、味覚などに関わる鼓索神経、音を伝える耳小骨などの重要な構造があります。そのため、手技の習得には、鼓膜そのものの質感に加え、周辺構造との位置関係を立体的に理解することが求められます。
一方で、実際の患者様を対象とした診療の中で、医師が同じ手技を繰り返し確認・練習できる機会には限りがあります。また、講義や映像によって知識や手順を伝えることはできても、器具を動かす角度、力の加え方、組織を扱う感覚、処置の順序などを十分に共有することは容易ではありません。
治療の開始から終了までの手技を実際に経験し、講師から直接指導を受けることができるハンズオン形式の教育は、鼓膜再生療法の考え方と手技を医師へ継承していくうえで重要な機会となります。今回使用された医療模型は、参加者が実際に手を動かし、解剖構造と手技の流れを立体的に理解するための実習環境を提供しました。
│薄く繊細な鼓膜を、形状だけでなく質感まで再現
鼓膜再生療法の実習では、骨格や周辺構造だけでなく、薄く繊細な鼓膜そのものの形状と質感を再現することが重要になります。特に鼓膜穿孔縁の新鮮創化を練習するためには、鼓膜の柔らかさ、弾力、支えの少ない状態での操作感を理解する必要があります。
今回使用された医療模型では、薄く繊細な鼓膜の形状と質感に加え、鼓膜輪、耳小骨、着色した鼓索神経、軟組織の感触など、鼓膜再生療法の手技に関わる構造を再現しました。また、KEZLEXが従来から培ってきた、骨を削る際の操作感も組み合わせることで、耳科領域における実践的な手技教育を支援します。
講師の先生方からも、実物に近い鼓膜の形状や質感、細部構造の再現性、手技練習における有用性について評価をいただいています。当社は、今回の活用を通じて得られた知見を、今後の医療模型開発と教育支援に活かしてまいります。
│ハンズオンセミナー講師コメント

医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長 難聴・鼓膜再生センター長
金丸 眞一先生
【略歴】
1988年3月 京都大学医学部医学科卒業
1989年5月 京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科研修医
1992年6月 財団法人田附興風会医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科医員
1998年1月 京都大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科助手
2003年11月 京都大学博士(医学)取得 テーマ:「喉頭の再生」
2005年1月 ロンドン大学Tissue Engineering 研究所留学
2005年6月 京都大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師
2009年1月 京都大学大学院医学研究科 臨床教授
財団法人田附興風会医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長
2012年8月 公益財団法人 先端医療振興財団臨床研究情報センター上席研究員
2012年10月 株式会社 京都メデイカルコンサル 代表取締役
2020年4月 京都大学連携大学院 客員准教授
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長、
難聴・鼓膜再生センター長兼任
2023年4月 同特任部長、難聴・鼓膜再生センター長兼任
【表彰(受賞)等】
・2002年5月米国気管食道科学会「自己骨髄由来間葉系幹細胞移植による声帯の再生」で日本人初のBroyles Malony Award 受賞
・2012年より現在までBest doctors in Japanに選出
【所属学会】
日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会
日本耳科学会
耳鼻咽喉科臨床学会
Politzer Society(ポリッツァー学会/国際耳科手術・耳科学会)
IFOS(国際耳鼻咽喉連盟)
JWTEES(正式名称確認中)
島根大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師 金井 理絵先生
【略歴】
2002年5月 京都大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務(初期研修医)
2003年6月 福井赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務(後期研修医・医員)
2009年4月 医学研究所 北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務(医員)
2012年9月~12月 Gruppo Otologico(Italy)短期留学
2015年1月 公益財団法人先端医療振興財団 先端医療センター病院非常勤医師兼任
2015年5月 北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務(副部長)
2023年10月 北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科勤務 部長
2025年4月 島根大学医学部耳鼻咽喉科 講師
医学研究所北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 山口 智也先生
【略歴】
2014年4月 倉敷中央病院 研修医(外科系)
2016年3月 同上 修了
2016年4月 京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 医員
2017年4月 大阪赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 専攻医
2019年4月 北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
【所属学会】
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
│四半世紀を越えてつながる医療模型への信頼と、技術継承への貢献
当社は長年にわたり、医療現場の教育・手技習得を支える医療模型の開発・提供に取り組んできました。医療用精密立体モデル「KEZLEX」は、手術前シミュレーションや手技教育、ハンズオントレーニング等の現場で活用されてきた製品です。今回の採用にあたっては、金丸先生が約四半世紀前の大野興業時代の側頭骨モデルを記憶されていたことが、当社模型への関心と活用につながりました。過去の製品が医師の記憶に残り、現在のKEZLEXの教育現場での活用へとつながったことは、当社が医療現場で求められる模型づくりに向き合ってきた積み重ねを示す重要な出来事です。
医療模型は、単なる展示物ではなく、医師が手技を学び、治療計画を検討し、次世代へ技術を継承するための教育基盤となるものです。特に、高度な専門性を要する治療や、新たな医療技術の普及においては、臨場感のある実習環境を整えることが、医療の質向上と標準化に資すると考えています。
当社は、「世界にまだない、選択肢をつくる。」というコーポレートミッションのもと、これまでも3Dプリンティング技術とものづくりの力を通じて、医療現場に新たな選択肢を提供してきました。今後も、医療機関・研究者・教育機関の皆様と連携し、教育、臨床、研究の三つの領域を支える医療模型の開発・提供を進めてまいります。世界初の鼓膜再生療法をはじめ、医療現場で生まれた優れた技術が、より多くの医師に正しく受け継がれ、一人でも多くの患者様に新たな治療選択肢として届けられるよう、3D医療ものづくりを通じて貢献してまいります。