赤ちゃんの頭のゆがみ、適正診療の均てん化と集約化へ。国内外の専門医が鑑別・ヘルメット治療・病診連携を共有
【本リリースのポイント】
- 医師・助産師・医療機関スタッフら過去最多140名が認定研修会に参加
- 鑑別診断、月齢・重症度に応じた治療判断、部位別のヘルメット設計を体系的に共有
- 病診・診診連携と海外事例を通じ、適正な頭蓋健診とヘルメット治療の標準化・均てん化を議論

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役 大野秀晃、以下当社)は、2026年6月21日(日)、第8回 位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会を開催しました。本研修会は一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構の認定研修会で、医師、助産師、医療機関スタッフ、行政・地域医療関係者など過去最多となる140名が参加しました。
ヘルメット治療が普及する中、位置的頭蓋変形と頭蓋縫合早期癒合症を筆頭とする病的頭蓋変形との鑑別、月齢や重症度に応じた治療判断、地域の医療機関を結ぶ診療導線の整備が重要です。今回は、基礎知識から部位別のヘルメット設計、病診・診診連携、海外の診療事例までを扱い、適正な頭蓋健診と適正なヘルメット治療の標準化・均てん化に向けた知見を共有しました。
│研修会の主な内容
【ベーシックコース】
位置的頭蓋変形の社会的背景、発症機序、予防、診断、治療、法的課題を体系的に解説。医療者が共有すべき基礎知識と、保護者への説明・情報提供に必要な視点を整理しました。
【アドバンスコース】
「ヘルメットの設計思想と部位別適正化」をテーマに、基本設計、もみあげ、えりあし、おでこ、みみまわり等臨床で課題となりやすい部位の設計・調整を症例とともに議論しました。
開業医から専門クリニック、専門クリニックから高次医療機関への紹介、高次医療機関での外科的治療と術後ヘルメット治療を取り上げ、病的頭蓋変形を見逃さず必要な医療につなぐ病診診診連携の導線を共有しました。
海外から2名の招聘講演を賜り、世界各地における適正な頭蓋健診とヘルメット治療を学びました。

│海外特別講演:シンガポール・サウジアラビアの診療体制と症例から学ぶ
「グローバル・ナレッジの交差:世界最前線の小児医療」をテーマに、海外から2名の専門医を招聘し、それぞれの国における乳児頭蓋変形の評価・治療体制と臨床上の課題を共有しました。
Prof. Abdulrazaq Alojan(King Fahd Hospital of the University, Imam Abdulrahman Bin Faisal University)は、サウジアラビアにおける新生児・小児医療の現状と、乳児の頭蓋変形に対する評価・紹介体制、多職種連携、小児脳神経外科医の役割について講演しました。
Kavitha Sothirasan先生(KK Women’s and Children’s Hospital、以下KKH)は、同院におけるヘルメット治療の最初の200症例をレビューし、多職種による診療体制、治療計画、保護者への説明、経過観察、治療成績から得られた知見を紹介しました。異なる医療制度での実践を比較することは、国内の適正な頭蓋健診とヘルメット治療の質向上に加え、国や地域を超えて診療水準を高めるうえでも重要な示唆となりました。
<KKHとの連携・交流に関するプレスリリース>

│臨床・教育・研究をつなぐ実践的な研修会
本研修会は、知識の習得にとどまらず、日々の診療で生じる具体的な課題を教育と研究の視点から共有する場です。部位別のヘルメット設計・調整では、医師の臨床経験から得られた細やかなノウハウを共有し、製品設計、診療運用、経過観察を一体で捉える重要性を確認しました。
乳児の頭蓋変形診療では、見た目の変化だけでなく、病的頭蓋変形の鑑別、月齢や発達に応じた治療判断、保護者への説明、治療中の調整、治療終了後のフォローまで、複数の要素を総合的に判断する必要があります。医療者が共通の言語で症例と治療経験を議論することは、日々の診療の質向上に加え、共同研究やエビデンス創出にもつながります。当社は、研修会で得られた知見を臨床現場と学術発信に還元してまいります。

│開催概要
名称:第8回 位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会
日時:2026年6月21日(日)13:00~17:15
会場:ビジョンセンター東京八重洲
主催:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
共催:一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構
参加者数:140名
│プログラム
【ベーシックコース】
1.位置的頭蓋変形を取り巻く社会的背景 細野茂春先生(練馬光が丘病院)
2.位置的頭蓋変形の機序 草川功先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
3.位置的頭蓋変形の予防 江藤宏美先生(長崎大学)
4.位置的頭蓋変形の診断 五味玲先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
5.位置的頭蓋変形の治療 広川大輔先生(神奈川県立こども医療センター)
6.位置的頭蓋変形に関する法的課題 佐藤明夫先生(佐藤総合法律事務所)
1.ヘルメットの設計思想と部位別適正化(シンポジウム)
(1)基本設計 ジャパン・メディカル・カンパニー
(2)もみあげ 西山健一先生(新潟県はまぐみ小児療育センター)
(3)えりあし 五味玲先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
(4)おでこ 梶田大樹先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
(5)みみまわり 西巻滋先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
(6)全体討論
2.病診・診診連携の実践
(1)開業医から専門クリニックへの紹介
位置的頭蓋変形疑いから見出された病的変形の端緒 長田洋資先生(長田こどもクリニック)
(2)専門クリニックから高次医療機関への紹介
ラムダ縫合早期癒合症の経験 西巻滋先生・五味玲先生(0歳からの頭のかたちクリニック)
(3)専門クリニックから高次医療機関での受入
0歳からの頭のかたちクリニックで診断された片側ラムダ縫合早期癒合症の一例 井原哲先生 (東京都立小児総合医療センター)
3.グローバル・ナレッジの交差:世界最前線の小児医療
(1)Positional Plagiocephaly: The Role of the Pediatric Neurosurgeon in Assessment,
Referral, and Multidisciplinary Care in Saudi Arabia. Prof. Abdulrazaq Alojan (King Fahad University Hospital, Imam Abdulrahman bin Faisal University)
(2)A Comprehensive Review of the First 200 Cases of Helmet Therapy at
KK Hospital Outcomes and Observations. Dr. Kavitha Sothirasan(KK Women’s and Children’s Hospital)
│講師・座長コメント

筆頭講師
0歳からの頭のかたちクリニック東京日本橋 院長・外科責任者
自治医科大学 客員教授
一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会 副理事長
五味玲先生

筆頭講師
公益社団法人地域医療振興協会練馬光が丘病院 小児科 顧問
日本大学 客員教授
自治医科大学 客員教授
一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構 理事長
一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会 理事長
細野茂春先生

アドバンスコース座長
名古屋大学大学 院医学系研究科
総合医学専攻 発育・加齢医学 教授
小児科学 教授
高橋義行先生

アドバンスコース座長
あいち小児保健医療総合センター 副センター長
(脳神経外科部長/保健センター長 兼任)
日本頭蓋健診治療研究会 理事
加藤美穂子先生
┃海外特別講演者コメント

KK Women’s and Children’s Hospital
Dr. Kavitha Sothirasan
┃研修会参加者の声

富山大学大学院医学薬学研究部 脳神経外科学 教授
黒田敏先生

琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)教授
中西浩一先生

九州大学医学部脳神経外科学分野 教授
吉本幸司先生

長田こどもクリニック 副院長
長田洋資先生
┃修了証書授与の様子
【ベーシックコース】

左から
筆頭講師 細野茂春先生
琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科) 中西浩一先生
富山大学大学院医学薬学研究部 脳神経外科学 黒田敏先生
筆頭講師 五味玲先生
【アドバンスコース】】

左から
座長 高橋義行先生
長田こどもクリニック 長田洋資先生
KK Women’s & Children’s Hospital Dr. Kavitha Sothirasan
九州大学 吉本幸司先生
座長 加藤美穂子先生
│今後の展望:中核医療機関への知見の集約と、診療水準の均てん化へ
赤ちゃんの頭のかたちに関する相談が増える一方、適正な鑑別、研修含む医師の経験、診断設備、運用体制には地域差があります。位置的頭蓋変形と外科的治療を要する頭蓋縫合早期癒合症などの病的頭蓋変形を適切に見分けるには、地域の一次接点から専門機関、高次医療機関までを切れ目なくつなぐ診療導線が不可欠です。
当社は、都道府県単位で中核となる医療機関に専門的な診療機能、症例、知見を蓄積し、地域のご家族が遠方へ移動せずとも適正な評価と治療選択にアクセスできる体制づくりを進めます。同時に、中核医療機関で培われた診療プロトコル、画像評価、保護者説明、ヘルメット治療の運用ノウハウを全国へ共有し、居住地にかかわらず同じ水準の頭蓋健診と治療選択が行われる土台を広げます。
海外の医療機関とも知見を共有し、それぞれの医療環境に応じた適正な頭蓋健診とヘルメット治療のあり方を検討します。国内外の専門医、医療機関、関係団体と連携し、地域と国を超えた診療水準の向上に貢献してまいります。
一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構が主催する認定研修について
本研修会は同機構認定研修です。同機構は、頭蓋健診とヘルメット治療の安全・標準化を目的に、研修・試験、先行施設での実地見学、鑑別診断に必要な設備等の要件を設け、基準を満たす医療機関を認定しています。
機構について:https://jcqht.org/
研修会の案内希望:https://jcqht.org/form/